「唯識」すなわち「唯だ心だけが存在する」という思想が仏教にあることをこれまでご存知の人はあまり多くおられなかったと思います。しかしこの唯識思想は、
小説『西遊記』の主人公としても有名な七世紀の中国の僧・玄奘三蔵が十七年間もの長きにわたる艱難辛苦の努力のすえ、インドから中国に伝えた思想です。
そしてそれは奈良時代に日本に伝来し、以来、現代に到るまで、仏教の根本学として脈々と学ばれつづけてきた重要な思想です。
  この重要な思想が二十一世紀を迎えた現代、にわかに脚光を浴びてきました。それは最高度に達した物質文明の中に生きる私たち現代人がこれまでなお
ざりにしてきた「心」の大切さに気づきはじめたからでしょう。
 本当に「心」ほど、自分にいちばん身近なものでありながら捉えどころのないものはありません。しかもそのありようによってこれほどに自分を苦しめ迷わす
ものはありません。この不可思議ともいえる心を深層から観察し分析して、見事にその秘密を解き明かしたのが唯識思想です。
 いまや世は混迷の極に達しようとしています。世界に目を向けると地球環境問題から民族紛争、宗教対立、そして世界を震駭(ふるえおどろかせる)しつつ
あるテロ事件、日本国内では家庭内暴力からはじまって教育現場の破壊、若者による安易な殺傷事件、大人の世界では政・官・経にわたる不正事件など数多
くの諸問題が山積みしています。私たちはこのような現状をみるにつけ、人類は本当に今世紀を生き延びることができるだろうかという不安にかられます。
 この混迷する今こそ「唯識」という考え方が必要とされる時代はありません。なぜなら唯識思想は仏教でありながら科学と哲学と宗教の三面を兼ね備えた
世界に通用する普遍的な思想であるからです。
 しかもそれは単なる知識としての仏教ではなく、その教理に基づいて生きていくならば、必ずや心を根底から変革して迷いから悟りに、混迷から平安に到る
ことができる実践的な仏教です。
 私は、このような信念のもと、ともども唯識思想を学び実践する場を提供することができればと願って、この度「唯識塾」を設立いたしました。
(2008年6月 「唯識塾」塾長 横山紘一) 


活動内容

1.一般市民を対象とした定期的な講習会の開催。

2.各唯識塾支部における講演会の開催。

3.<唯識>をテーマにしたビデオ・オン・デマンド方式による講義の展開と、それによる<唯識>教授者の養成。

4.<唯識>宣揚のための書籍の刊行。


本部
    294-0234 千葉県館山市布良613-3 能忍

    代表 山口博永

支部  
 飯能支部
   〒
357-0044  飯能市川寺745-3 

  代表 横山紘一
 
 京都支部

   〒562-0001 京都府乙訓郡大山崎町円明寺小字北浦2-6-1-201

     代表 北山喜与

 北海道支部

   〒048-1731 北海道ルスツ村118全宗寺

      代表 伊藤明詮
  広島支部
   〒723-0015   広島県三原市円一町4-1-40
      代表 小積忠生




 

横山紘一(よこやまこういつ)

1940年福岡県生まれ。1964年東京大学農学部水産学科卒業。1967年東京大学文学部印度哲学科卒業。1974年東京大学大学院印度哲学博士課程修了。その後、東京大学文学部助手、立教大学文学部教授を経て、現在は立教大学名誉教授。正眼短期大学副学長。1988年4月から3年間、および2000年3月から2年間、奈良での興福寺仏教文化講座で、また、1998年から1年間、東京での奈良興福寺文化講座でそれぞれ講師を担当。また、2001年4月から1年間、NHKテレビ「こころの時代」に講師として出演。1997年11月、興福寺で得度、法名は一如。興福寺建立1300年記念の事業の一つとして2010年10月に『唯識 仏教辞典』を上梓。趣味は武道で、鹿島神流師範。2005年から新宿喫茶店「らんぶる」で開催中の「哲学カフェ」を主宰。

 

『唯識三十頌』を読む会
仏教研究者・横山紘一先生のご指導のもと、唯識思想の代表的な文献を一緒に読み解きます。